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(ひ)日美子の救急占術 

作:斎藤栄
単:中央公論社 C・NOVELS(1988)

占いの名手であり、刑事の妻である主人公・二階堂日美子が様々な事件を解決していく推理物のシリーズ。日美子は占いの他に催眠術も特技としており、シリーズの中でも時々催眠を使う。沢口靖子主演でテレビドラマ化もされたが、催眠術を使うシーンはなかったようだ。

旧友の寿乃に乞われて訪れた小田原の旧家で、日美子は連続殺人事件に巻き込まれる。物語の中で日美子は、事件の心労で食欲をなくした寿乃の母親に、催眠術をかけ食事をさせる。また眠れない母親に、再度催眠をかけ眠らせる。誘導は、じっと目を見つめて暗示をかけていく方法。
(紹介&文:kurukuru)
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 日美子は令子夫人に呼びかけた。
 「おばさま。私、二階堂日美子よ。こちらをご覧になって……」
 すると、令子はその声に従って、じっと日美子を見た。そのチャンスを逃がさずに、日美子は視線をキャッチした。
 これが催眠術をかける第一のプロセスである。視線と視線が結びつくと、このとき、霊交(ラポール)がおこなわれる。
 そこで、間髪を入れずに、
 「さあ、眠りましょうね、ぐっすりと……、おばさまは眠くなりました。ね、眠いでしょう?」
 と、次の言葉を投げかける。
 この言葉によって、大脳への眠りの指令がゆくのである。
 「眠いわ」 と、令子は、もの憂い感じで言った。
 「さあさあ、できるだけ、ぐっすり眠りましょう。だんだんと瞼を閉じてゆきましょう。眠りますよ、眠りますよ……」
 「眠ります、眠ります……」
 と、低い声で、機械的に繰り返していた令子は、そのうちに、かすかな寝息を立てて、文字通り、眠りの世界へ陥ってしまった。
 「凄いわ、あなたの催眠術は……」
 と、寿乃は言った。
(第七章 岡村家の秘密)
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